拘置所…

ふつうの裁判と,裁判員裁判の違いの一つに,格好があります。

通常の「被告人」は,ジャージ,サンダルで法廷に連れてこられますが,

裁判員裁判の「被告人」は,スーツ風です。

 

スーツ風というのは,身に着けているのが、「ネクタイ風」なのです。

これは、ネクタイだと首つりをされかねないからと説明されています。

 

また、足元は、「革靴風」ですが、実際はスリッパです。

これは、逃走防止と説明されています。

 

なぜ、このような格好をしているのか、

それは、素人である裁判員のみなさんが格好だけで「有罪」

との心証を抱かないようにするためとされています。

 

でも、はたして、裁判員はそこまで馬鹿でしょうか?

むしろ、いつもと同じ格好をすることで、

そんなに大変なんだと思ってもらったほうが大事だと思うのですが、

でも、やっぱり、スーツ風になってしまうんですよね。

 

話は戻りますが、でも、やはり、拘置所に入るメリットというのは、

 

(食べ物が質素だから痩せられるとか

冷暖房がないのでかえって健康体になるとかはさておき)

 

やはり、自分の人生を振り返り、

将来を考えられるということではないでしょうか。

 

せっかくだから、内面を変えて、その変わった姿を

裁判員の皆さんに感じていただきたいなあと思うのです。

 

そして、それだけでなく、

将来にわたっても、そのような効果を持続させることができたら

 

その方の人生、いいほうに展開するのではないでしょうか?

 

拘置所に入っている間、「半年後、どうなっていたい?」と

私から聞かれます。

そのときは、「ああで、こうで」と話してくださいます。

 

そして、拘置所を出てから半年後、私から質問をされます。

あのときの決意、どうなりました?

 

それで、はっとなってくださった方、何人も見てきました。

 

浮き世に戻れば誘惑ばかりです。

「出所祝い」攻勢にさらされて,以前以上の怠惰な生活に逆戻りです。

 

その人たちに、はっとさせることができたならば…

私にとっての喜びの1つなのです。