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被爆者データ

 

科学 2015年 09 月号 [雑誌]

科学 2015年 09 月号 [雑誌]

 

 

広島・長崎の被爆者データは、健康影響評価において、

もっとも重要視されていることに異論はないと思います。

 

ところが、上記に記載された、濱岡豊慶応大学教授の論考

「広島・長崎被爆者データの再分析」

では、

 

LSS13(注 LSSとは、被爆生存者寿命調査)では、

線形モデルについて線量範囲、つまりサンプルを限定した解析

が行われている。

(中略)

線量範囲を限定するとサンプルサイズが減少し、統計的検定力は

低下する。

データの一部を取り出すことについては、

どの範囲を取り出すかという恣意性の問題もある。

利用可能なデータすべてを用いた分析を行うべきである

 

と指摘されています。

統計学の観点からは当然の指摘だと思います。

むしろ、サンプル限定分析という例外を用いていること自体、

信用性に疑いを生じさせていると思います。

また、上記解析結果、LNTモデルとの親和性を指摘されています。

やはり、100mSvでの閾値などないのです。

 

ところで、論文では

 

東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理の在り方に

関する専門家会議の中間とりまとめでは、「原爆被爆者約12万人の

調査の結果から、100~200mSvより高い被曝線量では

発がんのリスクが増加することが確認されている」としている。

ここで引用されているのは,低線量被爆の影響をまとめた

UNSCEAR2011である。

(中略)

UNSCEAR2011 parag.25には,子どものほうが影響が大きいこと,

胎児では10mSvの被爆でリスクが高まることが記述されている。

「住民の健康管理のあり方」を考えるには,

こちらのほうがより重要な論点であり,なぜこれに言及しないのか

極めて不思議である。

 

と指摘されています。

本当に,住民の健康管理を考えるなら,当然に指摘されるべきことが

指摘されていない。

彼らの優先順位がどこにあるかは,明らかですよね。