放影研では
虎の巻 低線量放射線と健康影響―先生、放射線を浴びても大丈夫? と聞かれたら
- 作者: 独立行政法人放射線医学総合研究所,土居雅広,神田玲子,米原英典,吉永信治,島田義也
- 出版社/メーカー: 医療科学社
- 発売日: 2012/12/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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低線量被爆による影響として,
これまでご紹介してきた津田先生等の著作があるわけです。
他方,これに対極の場所にいるのが,放影研です。
では,放影研では,低線量被爆による影響をどう考えているのかを
考えれば,コンセンサスの内容を探ることが出来ます。
広島,長崎の原爆被爆者を対象とした疫学研究から,
100~200mSv以上ではがんのリスクの増加が明らかだが,
それ以下では不明瞭であり,
低線量へリスクを外挿するシナリオとして,
さまざまなものが提唱されている
等と書かれています。
決して,100mSv以下では健康被害が生じるリスクはない
とはしていないのです。
それどころか,
米国科学アカデミーBEIR委員会報告書での記載を引用して
1 がんは単一の細胞の異常によって生じるという証拠がある
2 たった1個の電子の飛跡があっても,細胞にとって
修復が困難な複雑なDNA損傷を生じうる
3 そのようなDNA損傷による遺伝子・染色体異常は,細胞のがん化
に寄与する。
と指摘しています。
低線量,いえ,たった1個の電子の飛跡は,がんを生じるのです。